屋根の防水は屋根材だけじゃない!ルーフィング(防水シート)とは?種類・寿命・選び方まで徹底解説
屋根の防水は屋根材だけじゃない!ルーフィング(防水シート)とは?種類・寿命・選び方まで徹底解説
「瓦だから安心」
「ガルバリウム鋼板だから雨漏りしない」
屋根診断をしていると、このようなご相談をいただくことがあります。
しかし、私たちが現場で大切にしているのは、屋根材だけを見ることではありません。
なぜなら、屋根の防水性能を本当に左右しているのは、普段目にすることのない屋根材の下にある「ルーフィング(防水シート)」だからです。

ここ数年熊本県でも頻繁にゲリラ豪雨が発生するようになり、雨漏り調査を行う機会が増えてきました。実際に調査をする中で、屋根材自体はまだ使用できる状態なのにもかかわらず、内部の防水シートが劣化していたことが原因で雨漏りが起きていたケースは珍しくありません。
屋根の補修や塗装工事では、どうしても瓦やスレート、ガルバリウムなど表面に見える材料へ注目が集まります。しかし私は住宅を長く守るためには、見えなくなる部分こそ重要だと考えています。
この記事では、外壁塗装・屋根工事・雨漏り診断を行ってきた現場経験をもとに、ルーフィングの役割や種類、工事前に確認すべきポイントについて解説します。
屋根を守っているのは「屋根材+ルーフィング」です
私たちは屋根診断を行う際、「屋根材が綺麗だから大丈夫」とは判断しません。理由は、屋根材だけで住宅を完全に防水しているわけではないからです。
一次防水:屋根材(瓦・スレート・金属など)
主に雨を受け流す役割
二次防水:ルーフィング(防水シート)
進入した雨水を建物内部に入れない役割
つまり、
「屋根材は雨を流す役割」
「ルーフィングは最後に雨漏りを防ぐ役割」
という関係です。
現場で感じる「ルーフィングの重要性」
弊社でも雨漏り改修でご依頼を頂いたお宅で、屋根材の僅かな隙間などから侵入した雨水が、劣化したルーフィングの隙間から屋根の野地板まで伝わり雨漏りを起こしていることをよく目にします。屋根材はある程度の機能が残っているにもかかわらずルーフィングが先に劣化してしまって、本来の屋根全体としての機能が落ちてしまっている状態です。
屋根診断では、目に見える劣化だけを見るのでは不十分です。例えば、
などは目視で確認できます。しかし、その下にあるルーフィングの状態は、屋根を剥がさない限り直接確認できません。
だからこそ私たちは、以下のような項目から総合的に判断します。
- 築年数
- 屋根材の種類
- 過去の工事内容
- 雨漏り履歴
- 建物の使用環境
熊本市のみならず、菊陽や合志エリアでも水害が起こるレベルで、短時間に大量の雨が降ることも増えています。以前なら問題にならなかった程度の小さな劣化が、そういった大雨によって雨漏りとして表面化するケースもあることは覚えておいてください。
そもそもなぜ屋根材だけでは雨漏りを防げないのか?
屋根材は防水材ではありますが、完全な防水層ではありません。屋根には必ず隙間や継ぎ目が存在します。
そのため、以下のような強風や大雨の際には内部に水が進入することがあります。
横殴りの雨
風を伴う強い雨では、本来は屋根の表面を流れる雨水が横方向から吹き付けられます。通常の雨では入りにくい屋根材の重なり部分にも雨水が入り込みやすくなり、ルーフィングがその雨水を受け止める役割を果たします。
毛細管現象
水は細い隙間に吸い上げられる性質があります。屋根材同士のわずかな隙間でも、重力に逆らって内部へ浸入することがあり、見た目には問題がない屋根でも雨漏りの原因となる場合があります。
台風時の吹き込み
台風では、通常の横殴りの雨よりもさらに強い暴風が発生します。その風圧によって、本来は下へ流れるはずの雨水が逆方向へ押し戻され、屋根材の重なりや端部から内部へ侵入することがあります。
積雪・融雪
積雪や溶けた雪が屋根の上に長時間とどまったり、軒先で再び凍って「すが漏り(アイスダム現象)」が起こったりすることがあります。行き場を失った水が屋根材の下へ逆流し、ルーフィングに負担をかけます。
こうした「侵入した雨水」を最終的に止めているのがルーフィングです。
ルーフィング(防水シート)とは?
ルーフィングとは、屋根材の下に敷く防水シートのことです。
一般的な屋根の構造は、上から順に次のようになっています。
見えなくなる部分ですが、このルーフィングがしっかり機能していれば、屋根材の隙間から水が入っても建物内部への雨漏りを防ぐことができます。
ルーフィングは時代とともに進化しています
昔の住宅では、現在ほど耐久性の高いルーフィングは使われていませんでした。
しかし技術の進化により、現在では耐久性や施工性を高めたさまざまな製品が登場しています。
「屋根材の寿命」だけでなく、「ルーフィングの寿命」も合わせて考えることが大切です。
現在主流となっている4種類のルーフィング
| 種類 | 特徴 | 耐用年数目安 |
|---|---|---|
| アスファルトルーフィング(940) | 昔から使われている標準的な防水シート。価格は安いが耐久性は低め。 | 約10〜15年 |
| 改質アスファルトルーフィング(ゴムアス) | ポリマーやゴムを混ぜ、耐久性・伸縮性を高めたシート。現在の主流。 | 約20年〜25年 |
| 粘着層付きルーフィング | 裏面が粘着シートになっており、釘を使わずに固定できる。カバー工法などに最適。 | 約20年〜30年 |
| 高分子系ルーフィング | 合成樹脂やゴムを主成分とした高耐久な防水シート。非常にながもち。 | 約30年以上 |
屋根工事で本当に見るべきポイント
屋根のリフォームを検討する際、多くの方が「どの屋根材にするか」を悩まれます。
もちろん屋根材選びも大切ですが、私たちはそれ以上に「どのルーフィングを使うか」が重要だと考えています。
例えば、30年耐久の屋根材を選んだとしても、下にあるルーフィングが10年耐久のものだった場合、10数年後に内部で防水シートが劣化し、雨漏りのリスクが高まってしまいます。
つまり、「屋根材の寿命」と「ルーフィングの寿命」を合わせることが、長持ちする屋根作りのポイントです。
余談ですが、現在は中東情勢の影響等によりルーフィング自体がなかなか手に入りにくくなってきている状態ですが、弊社は性能の高いルーフィングを事前に確保していたので、現在も高耐久のルーフィングで対応ができております。
ただし業界全体で不足している状態ではあるため、どのような部材が使われることになるかは、施工を依頼される際に事前確認されることをおすすめします。
見積書取得後に確認したいポイント
屋根工事の見積書を取った際は、ぜひ以下の点を確認してみてください。
- 見積書に「ルーフィングの種類(商品名)」が明記されているか
- 屋根材の耐用年数に合ったルーフィングが選ばれているか
- ルーフィングの重ね幅や施工方法について説明があるか
「防水シート」「ルーフィング一式」としか書かれていない場合は、どのような種類のシートが使われるのか担当者に確認してみることをおすすめします。
まとめ|見えない防水層も住宅を守っています
屋根工事はどうしても表面の屋根材ばかりに目が向きがちです。
しかし、実際に雨漏りを防いでいる最後の砦は、見えない場所にあるルーフィング(防水シート)です。
屋根材は雨を受け流すもの。
ルーフィングは侵入した雨水を防ぐ最後の砦です。
屋根工事というと、どうしても目に見える屋根材に目が向きがちです。 しかし、私たちは「見えなくなる部分ほど丁寧にしたい」と考えています。 ルーフィングは完成後には外から見えなくなってしまう部材ですが、雨漏りから住まいを守る「最後の砦」です。 屋根工事をご検討される際は、ぜひ屋根材だけでなく「どのルーフィングを使うのか」にも目を向けてみてください。それが、10年後、20年後も安心して暮らせる住まいづくりにつながると、私たちは考えています。 もし熊本県内で「手元にある見積書の表記に不安がある」「我が家のルーフィングの状態を知りたい」という方がいらっしゃいましたら、セカンドオピニオンとしてお気軽にご相談ください。地元の専門家として、丁寧にお答えいたします。
「我が家の屋根の状態が気になる」「雨漏りしているか診断してほしい」など、お気軽にご相談ください。
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