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スレート屋根は何を見る屋根?劣化サインと塗装・カバー工法の判断ポイントを解説

スレート屋根でいちばん大切なのは「塗膜が機能しているかどうか」です。地上から確認できる6つの劣化サインと、棟板金・ノンアスベストスレートの注意点を解説します。

前回の「屋根材別に見るべき劣化サイン」の記事でもご紹介したように、屋根は種類によって劣化の仕方や確認するポイントが大きく異なります。

スレート屋根の場合、特に重要なのは「塗膜が機能しているかどうか」です。

瓦屋根のように瓦そのものの耐久性を見る屋根でもなく、金属屋根のようにサビを見る屋根でもありません。スレート屋根は塗膜によって防水性能を維持しているため、色あせやコケ、塗膜の剥がれなどの症状が、メンテナンス時期を判断する重要なサインになります。

今回は、熊本市周辺でも、そして弊社へのお問い合わせの中でも特に多いスレート屋根について、地上から確認できる劣化サインと、その症状が意味するものについて詳しく解説します。

スレート屋根は「塗膜性能を見る屋根」

スレート屋根はセメントを主原料として作られている屋根材です。

そのため、表面を保護している塗膜が正常に機能している間は問題ありませんが、塗膜が劣化すると屋根材そのものが水分を吸収しやすくなります。製造された年代や製品によって耐久性に違いはあるものの、基本的には水分を吸って乾燥する「吸水乾燥」を繰り返すことで、少しずつ劣化が進行していきます。

一般的な劣化の流れは、次のようになることが多くなります。

  1. 色あせやチョーキング
  2. コケや藻の発生
  3. ひび割れ
  4. 反りや変形
  5. 欠けや破片の落下

また、屋根材の劣化が進行すると、その下で建物を守っているルーフィング(防水シート)への負担も大きくなります。ルーフィングは屋根の最終防衛線とも言える存在ですが、一般的な寿命は20〜30年前後とされています。築年数と屋根材の劣化が重なっている場合は、屋根材だけではなく防水層の状態まで含めて考えることが大切です。

まずは、ご自宅の屋根に次のような症状が出ていないか確認してみましょう。

① 色あせしている

スレート屋根色ムラ
※スレート屋根の色あせ一例

屋根全体の色が薄くなったり、まだらに変色して見える場合は、塗膜が劣化し始めているサインです。

紫外線や雨風の影響によって、塗料の防水性能は少しずつ低下していきます。この段階ですぐに雨漏りすることはほとんどありませんが、スレートが水分を吸いやすくなる入り口とも言える状態です。

築10年前後のスレート屋根で見られることが多い症状です。比較的初期の劣化であれば、塗装によるメンテナンスで対応できる場合が多い範囲です。

② チョーキングしている

スレート屋根のチョーキング
※スレート屋根のチョーキングの一例

チョーキングとは、塗料に含まれる樹脂成分が紫外線によって分解され、表面に白い粉が現れる現象のことです。外壁でよく知られている症状ですが、スレート屋根でも発生します。

チョーキングが見られる場合は、塗膜による保護機能が低下している状態です。実際に屋根に触って確認することは難しいと思いますので、以前よりも屋根全体が白っぽく見える場合は、この段階に入っている可能性があります。

この段階も、塗装によるメンテナンスで対応できる場合が多い範囲です。

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チョーキングの見分け方や塗装のタイミングは、こちらで詳しく解説しています。

③ コケ・カビ・藻が発生している

スレート屋根のコケやカビや藻の一例
※スレート屋根のコケやカビや藻の一例

スレート屋根にコケや藻が発生している場合、塗膜性能が落ちはじめていて、屋根材が水分を吸収しやすくなっている可能性があります。特に北側の屋根面や、日当たりが悪い場所、風通しの悪い場所では発生しやすい症状です。

コケそのものがすぐに雨漏りを起こすわけではありませんが、コケは湿度が高い所にしか発生しないものなので、屋根が常に湿っているサインです。コケの水分も常に密着した状態になり、スレートがその水分を吸収しては乾燥して収縮を繰り返すことで、ひび割れを誘発しやすくなります。

コケの発生自体が劣化を早める原因にもなり、さらに塗膜を劣化させスレートがさらに水分を吸収しやすくなるという悪循環が起きるため注意が必要です。

軽度の症状であれば高圧洗浄や塗装による保護が可能な場合もありますが、劣化状況によっては別のメンテナンス方法を検討することもあります。

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コケが生えた屋根の見分け方と、放置した場合に起きることはこちらです。

④ スレートにひび割れがある

スレート屋根ひび割れ
※スレート屋根ひび割れの一例

スレートは吸水と乾燥を繰り返すことで、ひび割れが発生することがあります。表面の塗膜で防水しているはずが、ヒビから水分が染みこんでしまい、屋根材自体を劣化させてしまいます。

1枚だけの軽微な割れであれば部分補修で対応できる場合もありますが、割れや欠けが複数箇所に発生していたり、広範囲で起きていたりする場合は屋根全体が脆くなり始めている可能性もあり、注意が必要です。

冒頭でも触れましたが、普段は見えない屋根材の下には、ルーフィング(防水シート)と呼ばれる防水層があります。万が一屋根材の隙間から雨水が侵入しても、建物内部へ水が入り込まないよう、家を守ってくれています。なので、「スレートが割れている=すぐに雨漏りする」ということではありません。

ただ、ひび割れは劣化が進行して起きることであり、そのヒビから水分が入ることで更に劣化を進める原因になります。そのため、一度屋根の状態を確認しておくべき段階と言えます。軽度であれば補修や塗装ですむこともありますが、多発しているとそうもいかなくなるためです。

ルーフィングにも寿命があります

ルーフィングは、性能が良い物でも20〜30年程度が交換の目安とされています。屋根材の下に施工されているため、防水シートだけを交換することは基本的にできません。

そのため、築年数や屋根材の劣化状況によっては、補修塗装ではなく屋根カバー工法や葺き替えによって、ルーフィングごと新しくするという選択肢を検討する場合もあります。

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ルーフィング(防水シート)の役割・種類・寿命については、こちらで詳しく解説しています。

⑤ スレートが反っている

スレートの反り浮き
※スレートの反りの一例

スレートが水分を吸収し続けると、吸水と乾燥を繰り返し屋根材自体が反り上がってくることがあります。特に屋根材の端部が浮き上がって見える場合は注意が必要です。反りが進行すると、次のようなリスクがあります。

  • 隙間から雨水が入り込みやすくなる
  • 強風の影響を受けやすくなる
  • ひび割れや欠けにつながる

また、反りが大きくなったスレートは塗装をしても形状そのものは元に戻りません。反りが目立つ場合は、塗装以外の選択肢を早めに検討した方が良い段階まで劣化が進行している可能性が高いです。

屋根材が風に飛ばされ、ご近所の家屋などを傷付けてしまうリスクもありますので、何かしらの対処をしておくタイミングです。

⑥ 欠けや破片が落ちている

スレート屋根の欠け一例
※スレート屋根の欠け一例

地面や雨樋の中にスレートの破片が落ちている場合、屋根材の劣化が進行している可能性があります。特に屋根の角部分や先端部分は、経年劣化によって欠けやすくなります。

欠けた部分がすぐに雨漏りにつながるわけではありませんが、ひび割れ同様、塗膜のついていない部分から水分を吸ってしまい、さらに劣化を進めてしまいます。欠けが起きている場合は屋根材の寿命が近づいているサインと捉えて、早めの対応を検討してみてください。

複数箇所で発生している場合や、屋根全体に広がっている場合は、塗装ではどうにもならないため、それ以外のメンテナンス方法を検討する時期にあることがほとんどです。

スレート以外にも見ておきたい劣化ポイント

表面の塗膜性能とは直結しませんが、実は併せて確認しておきたい部分が屋根の棟板金(むねばんきん)です。

棟板金とは屋根の頂上部分に取り付けられた金属部材のことで、頂点の隙間を塞いで雨水の侵入を防ぎ、強風による屋根材の浮きや飛散を防ぐ役目をしています。目視での確認が難しいところではありますが、知識として持っておくと、業者にお願いする場合などに確認しやすくなると思います。

① 棟板金の釘や留め具が抜けている

棟板金の浮きと割れ
※棟板金の浮きと割れによる固定力低下の一例

棟板金は釘やビスによって固定されていますが、経年劣化や風の影響によって、棟板金自体が徐々に浮いてくることがあります。固定力が低下すると、次のような原因になることがあります。

  • 強風による飛散
  • 隙間からの雨水侵入

熊本のように台風の影響を受けやすい地域では、特に注意したいポイントです。早い段階であれば、固定し直すことで対応できる場合もあります。

② 棟板金がサビている

棟板金のサビ
※棟板金のサビの一例

棟板金にサビが発生している場合、防水性能が低下している可能性があります。初期のサビであれば塗装による保護が可能な場合もありますが、放置すると腐食が進行し、穴あきにつながることもあります。

特に釘周辺や継ぎ目部分はサビが発生しやすいため、定期的な確認がおすすめです。

スレート屋根で覚えておきたいこと

スレート屋根は、「塗膜性能が機能しているか」をみながら、「屋根材の劣化がどこまで進んでいるか」「棟板金が正常に固定されているか」を確認して、今の状況を見るべき屋根です。

色あせやチョーキング程度であれば、塗装で対応できる場合もあります。一方で、次のような場合は、表面以外の部分でも複合的に劣化が進行している可能性があります。

  • 広範囲のひび割れ
  • 多数の欠け
  • 屋根材の反り
  • 築20年以上経過している

カバー工法など、塗装以外の選択肢も視野に入れて検討する方が無難です。

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塗装が必要ない屋根・塗装しても意味がない屋根の考え方は、こちらで解説しています。

注意したいノンアスベストスレート

スレート屋根は製造された年代や製品によって耐久性が大きく異なります。

特に2000年前後にアスベスト規制で既存のスレート材が使えなくなったタイミングで製造された、一部のノンアスベストスレートには、早期にひび割れや欠けが発生しやすい製品が存在します。実は熊本でもかなりの住宅で使われています。

🚨 代表的な製品

  • パミール
  • コロニアルNEO
  • ザルフグラッサ
  • レサス
  • グリシェイドNEO
  • アーバニー

特にコロニアルNEOは壊れやすく、屋根に上ることも避けた方がいい代表的なものです。またパミールは層状に剥がれていく「ミルフィーユ状剥離」が発生することで知られており、塗装による延命は避けた方がいい屋根材です。アーバニーもデザイン性の高い屋根材ですが、割れやすい特徴があります。

これらの屋根材は塗装による延命効果はないに等しく、かとう塗装では塗装での対応はお断りしています。一般的に屋根カバー工法や葺き替えが推奨されるケースがほとんどで、建物のためにも最も適したやり方だと考えられています。

同じスレート屋根でも、「塗装で長持ちする屋根」なのか、「別のメンテナンス方法を考えるべき屋根」なのかで、選ぶべき工事は大きく変わります。まずは、ご自宅の屋根がどの製品なのかを知ることが、失敗しない屋根メンテナンスの第一歩です。

こんな症状があれば一度点検をおすすめします

  • 屋根全体が白っぽく見える
  • コケが広範囲に発生している
  • スレートが割れている
  • 地面にスレートの破片が落ちている
  • 棟板金が浮いて見える
  • 台風のあとから気になる音がする

これらの症状が見られる場合は、一度専門業者へ相談してみることをおすすめします。

セルフチェックの注意点

⚠️ 屋根には絶対に上がらないでください

屋根は非常に危険な場所です。特にスレート屋根は、人が乗ることで割れてしまうことがあります。また、転落事故のリスクも高いため、ご自身で屋根に上がって確認することはおすすめできません。

最近ではドローン点検など、屋根に上がらず状態を確認できる方法も増えています。気になる症状がある場合は、無理をせず専門業者へ相談するようにしましょう。

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