【現場で聞いてみた】代表編 第3回 塗装屋なのに、「塗らない方がいい」と言う理由。
塗装屋なのに「塗らない方がいい」と言う理由。
~本当に家を長持ちさせるための判断とは~
「代表って、塗装屋さんなのに『塗らない方がいいですね』って言うことがあるんですよね?」
今回の取材で最初に気になったのは、その言葉でした。
外壁や屋根の工事をお願いする以上、「塗装をする」のが当たり前だと思っていた私にとって、その言葉は少し意外でした。
しかし、お話を聞き進めるうちに分かったのは、代表が見ているのは「塗装工事」ではなく、「その家がこれから先も長く安心して住めるか」ということ。
今回は、実際の施工事例を見ながら、代表がどんな基準で判断しているのかを伺いました。
💬 インタビュー
実際の対話をそのまま掲載しています。
山口代表って、本当にお客様へ
「これは塗らない方がいいですね。」
ってお話しされることがあるんですか?
ありますよ。
むしろ結構あります。
山口正直、それを聞いた時は驚きました。
塗装会社なんだから、塗装をおすすめするものだと思っていました。
そう思われる方が多いですね(笑)
もちろん塗装屋なので、塗装工事をご提案することは多いです。
でも、塗ることが目的ではないんですよ。
山口塗ることが目的ではない?
はい。
お客様が塗装をご相談される理由って、「色を変えたい。」だけじゃないんですよね。
「家を長持ちさせたい。」
「雨漏りを防ぎたい。」
「安心して住み続けたい。」
そういう想いがあると思うんです。
だったら、僕らが考えるべきなのは、"何を塗るか"じゃなくて、"その家に一番いい方法は何か"なんですよ。
山口例えば、どんな時に「塗らない方がいい」と判断するんですか?
言葉だけだと分かりにくいので、実際の写真を見てもらった方が早いですね。
📷 施工事例①
実際の施工事例▶ 屋根カバー工法|石付板金セネターで長期メンテナンスフリーに
📷 施工メモ
「その家に一番いい方法」は何なのか。
塗装や施工方法より先に「何が正解なのか」という判断を大切にしながら、お客様が求める内容と我々が出来る判断とのすり合わせを行います。
山口この屋根だったら、僕は「そろそろ塗装かな。」って思ってしまいます。
そうですよね。
実際、お客様も最初は屋根塗装のご相談でした。
でも現場調査をしてみると、そもそも脆い屋根材で、塗装しても内部の劣化や割れの進行を止めることが出来ないタイプの屋根でした。
塗装でごまかしたとしても、その先を考えると絶対に長持ちはしません。
解決策として、今回はカバー工法をご提案しました。
山口屋根材によっては「塗っても根本的な解決にならない」ということなんですね。
そういうことです。
工事って、終わった時じゃなくて、その先何年後もずっと大事なんですよ。
その時に、「あの時ちゃんと判断してもらってよかった。」と思っていただける方がいいですからね。
山口そうですね。
逆に、「これはもったいないな」と思う現場ってありますか?
ありますよ。
山口例えばどんなケースですか?
塗料はいいのに、塗り方が悪かったり、コーキングの耐久年数が塗料の耐久年数より大幅に短いものだったり、
材料と施工がチグハグというか。
そういう場合ですかね。
山口この辺のエリアでもそういう現場ってあるんですか?
昔の方が多かったですけど、今でもたくさんありますよ。
もっと悪い例だと、陶器瓦のように本来塗装が必要ない屋根なのに塗装されていたり、
先程の例の様に、本当はカバー工法や葺き替えを検討した方がいい状態なのに、そのまま塗装されていたり。
山口塗っても意味無いんですよね?
ないですね。でも実際にそういうご相談を受けることもあるんです。
だいたいは現場調査の時に気付く事が多いんですけどね。
ひどいでしょ?
山口お客様からしたら、「屋根を綺麗にしたい」という気持ちで工事をされてた訳ですもんね。
そうなんです。
だからこそ、余計に、もう少し早く相談していただけていたらなぁ。思うんです。
塗装すること自体が悪いんじゃなくて、その家に合わない工事をされてると、もったいないなと思うんです。
山口代表って、他社さんの工事を見て「塗装が下手だった」という話はあまりされませんよね。
う~ん見たらわかるので、現場調査の時に率直にお伝えするともありますけど、そこじゃないと思うからですかね。
家って一軒一軒違うので、建材も違えば、傷み方も全然違います。
だから、本当に大事なのは「どう施工したか」の前に、その家に合った判断だったかどうかなんです。そこを間違えたらいくら良い塗料を使って丁寧に施工しても、本来の性能を活かせなくなるでしょ。
📷 施工事例②
実際の施工事例▶外壁カバー工法の施工事例|金属サイディングで外装リフォーム
📷 気付きメモ
外壁を塗装するもの。
最初に見るのは「塗れるかどうか」ではなく、「塗ることで本当に家が長持ちするのか」ということ。
同じ外壁でも、状態によって答えが変わる。
それを「判断する仕事」なんだと感じました。
山口この現場も、最初は塗装のご相談だったんですか?
そうです。ただ外壁の劣化がひどくあちこち補修が必要な状態でした。
まずは補修と塗装で何とかならないかとのご相談でした。補修してそのまま塗装してしまえば、一見きれいにはなります。
でも、原因が残ったままなので、また同じことが起きます。
なので、外壁を金属サイディングのカバー工法でご提案しました。張り替えより多少費用も抑えられて、なおかつ強度と美観を保てるためです。
山口前回のお話にもありましたけど、「どう塗るか」とか以前に、「何を優先するか」を考えているんですね。
そうですね。
塗装は最後の仕上げですし。
その前の判断を間違えると、どんなにいい塗料を使っても意味がなくなってしまいます。
山口お客様からすると、「何でもできます」と言ってくれる会社の方が安心しそうな気もします。(笑)
その気持ちも分かるんです。
でも、住まいって全部同じじゃないですからね。
それに皆さんご予算も違いますし、今後どれくらい住まれるかもそれぞれ違います。
だから、「全部やりましょう」ではなく、「この家には何が必要なのか。」「今のご予算なら、どこを優先するべきなのか。」そこを一緒に考える方が大事だと思っています。
山口工事を売るというより、優先順位を一緒に考えるイメージなんですね。
そうですね。
例えば、ご予算の都合ですべては難しいこともあります。
そんな時は、「ここだけはやった方がいい」「ここは今じゃなくても大丈夫」と正直にお伝えします。
全部できます、と言うことは簡単です。
でも、それがお客様にとって一番いいとは限りませんから。
山口今日のお話を聞いていて思ったんですが……
代表は「塗装を提案している」というより、「判断を提案している」ような感じですね。
そうかもしれません(笑)
塗装を売りたいわけじゃないんです。
その家が10年後、20年後も安心して住めること。
僕はそこを一番大事にしています。
だから塗装業だけなく、雨漏り診断、屋根の葺き替え、屋根や外壁のカバー工法までやるようになりました。
📖 まとめ・ポイント
インタビューを通して印象に残ったポイント。
📝 山口の取材メモ
今回のお話で一番印象に残ったのは、「塗装をするかどうか」ではなく、「その家にとって何が正解なのか」を考える姿勢でした。
同じ屋根でも、塗装が最適な場合もあれば、補修やカバー工法を選んだ方がいい場合もあります。
つい、「塗装会社だから塗装を勧める」と考えてしまっていました。
でも代表が見ているのは、工事そのものではなく、その先の住まいの暮らしでした。
工事が終わった瞬間ではなく、何年も経ったあとに「やって良かった」と思っていただけるか。
その視点で判断しているからこそ、「塗らない方がいい」という提案が生まれるのだと感じました。
現場へ同行!代表は診断で何を見ている?
今回のお話では、「その家にとって一番いい判断をする」という考え方を伺いました。
🗺️ 現場で聞いてみた!連載ロードマップ(全6回)
このインタビューは、建築知識ゼロの新人担当が「施工現場のリアル」に迫る全6回の連載ストーリーです。記事を通して職人のこだわりや現場の工夫をご紹介していきます。ぜひ順番にお楽しみください!
- 第1回:「ちゃんとしないと、気が済まないんです。」
- 第2回:「見積書には書いていない仕事があります」
- 第3回(今ここ):「塗装屋なのに、『塗らない方がいい』と言う理由」
- 第4回(次におすすめ):「現場へ同行!代表は診断で何を見ている?」
- 第5回:「全部できますとは言いません」
- 第6回:「地域で一番になりたい本当の理由」
現場の職人からはじめ現在は代表職をしております。
どこよりも誠実な施工ができるように現場調査からお見積りも丁寧に対応いたします。







山口からのコメント
塗装工事を提案するだけでなく、10年・20年先のお客様の暮らしと住宅を一番に考えた判断の重要性を強く感じました。