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熊本地震の罹災証明が届いたら|住宅の応急修理制度の流れと注意点

熊本地震 住宅被害対応ガイド > 住宅の応急修理制度

熊本地震で罹災証明が届いた方々へ 住宅の応急修理制度で屋根・外壁を修理する業者をお探しの方へ

制度の流れ・限度額・対象外になる注意点と、地域別の相談窓口をまとめました。

📄「準半壊と書いてあったけど、何が使えるの?」
🔨「ブルーシートのままの屋根を、そろそろ本格的に直したい」
💰「修理代を市が出してくれる制度があると聞いたけど、どうすればいいの?」
🏠「どの業者に頼めば、制度の手続きまで対応してもらえるの?」

2026年7月28日の地震から2か月が経ち、各市町村で罹災証明書の判定が届き始めました。これに合わせて、屋根や外壁の「本格的な修理」を考える方からのご相談が増えています。

このときに使えるのが、災害救助法にもとづく「住宅の応急修理制度」です。うまく使えば自己負担を大きく減らせますが、順番を間違えると対象外になってしまうことがあります。

まず罹災証明書の「判定区分」を確認する

応急修理制度が使えるかどうかは、罹災証明書の判定で決まります。

  • 全壊・大規模半壊:対象(全壊は、修理すれば住み続けられる場合に限る)
  • 中規模半壊・半壊:対象(自らの資力では修理できない場合)
  • 準半壊:対象(自らの資力では修理できない場合)
  • 一部損壊・被害なし:対象外

判定に納得がいかない場合は、多くの市町村で再調査(二次調査)を申し出ることができます。益城町のように、二次調査に進む場合は二次調査の判定を受けてから申し込むよう案内している町もあります。判定は受けられる支援に直結するので、気になる点があればお住まいの市町村の窓口に相談してください。

⚠️ 判定が出る前に修理を始めるのは注意

罹災証明の結果が出る前に修理に取りかかることもできますが、結果が「一部損壊」だった場合は制度の対象外となり、全額自己負担になります。

応急修理制度とは?(市町村が業者に直接支払う仕組み)

応急修理制度は、地震で傷んだ家を、住み続けられる状態に最低限直すための制度です。

一番の特徴は、修理費用を「市町村が修理業者に直接支払う」ことです。お施主さんが立て替えて、あとで補助金を受け取る仕組みではありません。

業者はお施主さん自身が選び、その業者の見積書をつけて市町村に申し込みます。対象と認められると、市町村から業者に修理が依頼され、修理が終わったら市町村から業者へ代金が支払われます。

限度額と、直せる工事・直せない工事

💰

全壊・大規模半壊・中規模半壊・半壊

757,000円以内

💰

準半壊

367,000円以内

※熊本市・宇城市・益城町の案内より(1世帯あたり・税込)。同じ家に2世帯以上が住んでいても1世帯分です。限度額を超えた部分や、制度の対象外の工事は、自己資金や保険金・共済金で対応することになります。

✅

直せる工事の例

居室・台所・トイレ・浴室など、日常生活に欠かせない部分が対象です。
・屋根(瓦のずれの修理を含む)、基礎、柱、梁、外壁の補修
・ドア・窓・ガラスなど開口部の補修
・上下水道などの配管・配線
・トイレ・浴槽・給湯器などの衛生設備

❌

直せない工事の例

・物置や車庫など、住まい以外の建物
・内装の仕上げ材だけの工事(クロス・畳など)
・外壁タイルや塗装など、仕上げ材だけの工事
・家電製品
・今回の地震と直接関係のない修理

⚠️ 塗装会社として、ここは正直にお伝えします

この制度で直せるのは、外壁の「補修」です。外壁の塗装だけの工事は対象になりません。「地震のついでに、制度を使って外壁塗装まで」ということはできません。もし業者からそのような説明を受けたら、契約する前に市町村の窓口に確認してください。

制度の中心は、瓦のずれや破損の修理、ひび割れの補修など、雨水の浸入を防いで住み続けられるようにするための工事です。

申し込みから修理までの流れ

1修理前の写真を撮る

被害を受けた場所を、どの部屋・どの部分か分かるように撮影します。スマートフォンの写真で構いません。屋根など危険な場所は、無理をせず修理業者に撮影を頼んでください。申し込みにも、修理後の完了報告にも必要になります。

2罹災証明書を受け取る

判定区分が準半壊以上かを確認します。

3修理業者を選び、見積書を作ってもらう

「応急修理制度を使いたい」と伝えたうえで、見積書を依頼します。業者はお施主さんが自分で選びます。

4市町村へ申し込む

申込書、罹災証明書の写し、修理前の写真、修理見積書などを提出します。熊本市・益城町はメール、宇城市はオンラインフォームでの申し込みもできます。必要書類は市町村ごとに異なるので、各窓口の案内を確認してください。

5市町村から業者へ修理を依頼 → 修理

対象と認められると、市町村と業者の間で契約が結ばれ、修理が始まります。

6完了報告 → 市町村から業者へ支払い

修理が終わると、業者が修理前・修理中・修理後の写真をつけた完了報告書を提出し、確認後に市町村から業者へ支払われます。

💡 期限について

熊本市では、完了報告書の提出まで含めて原則2026年10月27日までとされていますが、2027年1月27日まで延長する方向で国と協議済みと案内されています(2026年9月23日更新時点)。益城町は、2027年1月27日までに完了(完了報告書や写真の提出まで)と案内しています。期限は市町村ごとに異なり、今後も変わる可能性があるので、必ず最新の情報を確認してください。

制度が使えなくなる「やってはいけない順番」

⚠️ この順番になると、制度が使えなくなります

・修理前の写真を撮らずに、先に直してしまった
・業者に代金を支払い、修理も終わってしまった
・罹災証明の結果を待たずに修理したら、一部損壊の判定だった

特に2つ目は注意が必要です。熊本市・宇城市・益城町の案内でも、お施主さんが直接依頼した業者に修理費用を支払ってしまった場合は制度の対象外になると明記されています。

「雨が降る前に早く直したい」という気持ちは本当によく分かります。雨漏りが心配な場合は、ブルーシートなどで一度しのぎ、本格的な修理は応急修理制度の申し込みを済ませてから、という順番をおすすめします。

保険・支援金との関係

火災保険・地震保険・共済

限度額を超える部分や、制度の対象外の工事は、ご加入の保険・共済で補償される場合があります。保険金が支払われるかどうかを判断するのは保険会社です。まずは契約している保険会社・共済に直接問い合わせてください。

被災者生活再建支援金

中規模半壊以上の世帯が対象の支援金で、熊本市の案内では応急修理制度との併給が可能とされています。

併用できない制度もあります

宇城市・益城町の案内では、応急修理制度は応急仮設住宅(建設型・賃貸型)などとの併用に制限があるとされています。ただし、修理期間が1か月を超える程度の工事の場合は、修理期間中に賃貸型応急住宅(みなし仮設)へ入居できる場合があります。宇城市では公費解体とも併用できないとされています。どの制度を使うかは、申し込む前に窓口で相談してください。

制度を悪用した勧誘に注意してください

罹災証明書が届き始めるこの時期は、「制度を使えば」という言葉を使った勧誘が増えやすい時期でもあります。

🚫 こんな言葉には注意してください

「制度と保険を使えば、自己負担ゼロで全部直せます」
制度には限度額があり、保険金が出るかどうかは保険会社が判断します。支払われる前から「ゼロ円」と断定する業者には注意してください。

「今日契約しないと、制度が使えなくなりますよ」
期限はありますが、今日決めなければ使えなくなる、ということはまずありません。期限は市町村の公式サイトで自分で確認できます。

「制度で外壁塗装もできます」
塗装などの仕上げだけの工事は対象外です。

「申し込みは全部こちらでやるので、先に代金を払ってください」
業者に代金を支払ってしまうと、制度が使えなくなる可能性があります。

少しでも「おかしい」と感じたら、契約する前に市町村の窓口や、消費者ホットライン「188(いやや)」に相談してください。

応急修理を頼む業者の選び方

今は、地震の修理を請け負う業者がどこも忙しく、材料費や人件費も上がっています。見積もりが以前より高くなっていること自体は、珍しいことではありません。だからこそ、金額だけでなく、次の点を確認してみてください。

  • 制度の仕組みや必要書類を説明できるか
  • 制度の対象になる工事と、ならない工事(自己負担になる部分)を分けて見積もってくれるか
  • 修理前・修理中・修理後の写真を、完了報告に使える形で管理してくれるか
  • 必要以上に急かしたり、「タダになる」と断定したりしないか

市町村によっては、業者探しの参考になる情報を公開しています。熊本市は国土交通省が協力する「住まい再建事業者検索サイト」を、宇城市は市の小規模契約希望者登録名簿を、益城町は応急修理の登録業者一覧を案内しています。

🏠 かとう塗装の対応

弊社では、お客様が応急修理制度の利用を希望される場合に、申し込みに必要な見積書の作成などに対応できるよう準備しています。現地調査では建物の状態を必ず実際に見て確認し、建物診断の結果を写真と診断書にまとめ、見積もりと一緒にお渡ししています。制度の対象になる工事と、自己負担になる工事は分けてご説明します。

火災保険・地震保険はお客様ご自身の契約のため、保険の申請手続きそのものには関わっていませんが、請求に使える現地調査の写真や見積書をご用意することはできます。

地域別・応急修理の相談窓口

応急修理制度の申し込み先は、お住まいの市町村です。今回の地震で被害が多かった地域の窓口をまとめました。受付時間や必要書類は変わることがあるので、公式ページで最新情報を確認してください。

📍

熊本市

案内:災害救助法「被災した住宅の応急修理」制度の案内
窓口:住宅政策課(市役所本庁舎9階)096-328-2449(原則9〜16時)
城南まちづくりセンターの総合相談窓口でも対応

📍

宇城市(松橋・不知火・三角・小川・豊野)

案内:【令和8年熊本地震】住宅の応急修理制度について
窓口:土木部 都市整備課 都市計画係 0964-32-1694
オンライン申込フォームあり

📍

宇土市

案内:令和8年熊本地震に係る被災した住宅の応急修理制度について
窓口:健康福祉部 すまい再建支援室 0964-27-3317

📍

八代市

案内:令和8年熊本地震に伴う住宅の応急修理について
窓口:建設部 営繕課 0965-33-4401(受付場所:市役所1階 会議室C)

📍

氷川町

案内:令和8年熊本地震に係る住まいの支援制度(応急仮設住宅・応急修理)について
窓口:建設下水道課 住宅係 0965-52-5862

📍

益城町

案内:被災した住宅の「応急修理」の支援について【令和8年熊本地震】
窓口:都市計画課 096-286-3340(原則9〜17時、閉庁日を除く)
メールでの相談・申し込みも可(アドレスは町の案内ページに掲載)
完了期限:2027年1月27日

📘 あわせて読みたい

その他の市町村(美里町・甲佐町・御船町・嘉島町・合志市・菊陽町・大津町・菊池市・山鹿市・水俣市・芦北町・天草市など)の窓口は、こちらにまとめています。

→ 熊本地震 住宅被害対応ガイド 記事まとめ(各自治体の公式ホームページ・相談窓口一覧)

熊本市以外の災害救助法適用市町村の応急修理については、熊本県のページでも概要や手続きの流れが公開されています。

→ 熊本県「【令和8年熊本地震】被災した住宅の応急修理について」

「写真 → 罹災証明 → 見積もり → 申し込み → 修理」の順番を守る

応急修理制度は、市町村が修理業者に直接支払ってくれる、被災した家にとって心強い制度です。ただし、順番を間違えると使えなくなってしまいます。

修理前の写真を撮る。罹災証明の判定を確認する。制度に対応できる業者に見積もりを依頼する。申し込んでから修理する。この順番だけは、ぜひ覚えておいてください。

ブルーシートのまま、どう直せばいいか分からずにいる方も、まずは家の状態を知るところから始めてみてください。