【熊本地震】瓦屋根の被害、そのまま直す?軽い屋根に替える?地震後の屋根の修繕やリフォームを考える
【熊本地震】瓦屋根の被害、そのまま直す?軽い屋根に替える?地震後の屋根の修繕やリフォームを考える
地震で瓦が割れた・ズレた方へ。修理だけでなく、これからの屋根のあり方まで考える
今回の地震で、瓦が割れてしまった、瓦がズレている、棟が崩れてしまった、屋根から瓦が落ちた、ブルーシートをかけている、「このまま瓦屋根を直していいのだろうか」と迷っている、「せっかく直すなら、今後の地震やメンテナンスも考えたい」という方も多いのではないでしょうか。
地震で屋根に被害が出ると、まず考えるのは「壊れたところを直さなければ」ということだと思います。もちろん、被害を受けた屋根を安全な状態に戻すことは最優先です。ただ、地震をきっかけに屋根を一度見直すのであれば、「どこを直すか」だけでなく、「これからこの家をどう維持していくか」まで考えてみることも大切です。
例えば、今の瓦を部分的に修理するのか。棟を取り直すのか. 瓦を再利用して葺き直すのか。それとも屋根材そのものを変更するのか。屋根の状態や建物の築年数、今後どれくらい住み続けるのかによって、適した選択肢は変わります。
1.瓦が丈夫でも「屋根全体」が永久に使えるわけではありません
瓦について考えるとき、まず知っておきたいのが、「瓦そのものの寿命」と「屋根全体の寿命」は同じではないということです。陶器瓦や釉薬瓦などは、非常に耐久性の高い屋根材です。しかし、瓦の下には防水シート(ルーフィング)や野地板などの屋根下地があり、棟には漆喰や棟を支える部材なども使われています。
つまり、「瓦がまだ使えそうだから、屋根全体も問題ない」とは限りません。築年数が経過している住宅では、瓦そのものだけでなく、以下の要素も確認する必要があります。
- 防水シート
- 野地板
- 桟木
- 棟の内部
- 下地の腐食や劣化
今回の地震で瓦を一度外すのであれば、「この機会に屋根の下まで確認しておくべきか」という視点も重要です。
2.瓦屋根の修理・メンテナンスにはいくつかの選択肢があります
瓦屋根に被害があったからといって、必ず屋根全体を葺き替える必要があるわけではありません。住宅の状態によって、選択肢は変わります。
1瓦の部分補修
割れた瓦やズレた瓦など、被害箇所を部分的に修理する方法です。被害が限定的で、その他の部分に大きな問題がない場合には、有効な選択肢になります。例えば、瓦が数枚割れた、一部の瓦がズレた、限られた範囲に破損があるといったケースです。ただし、地震によって瓦がズレている場合、見えている瓦だけを直せばよいとは限りません。瓦の下にある防水や下地まで確認したうえで判断する必要があります。
2棟の取り直し
地震によって特に被害を受けやすい部分の一つが、瓦屋根の「棟」です。棟とは、屋根の一番高い部分にある瓦の部分です。地震によって、棟瓦がズレた、棟が崩れた、漆喰が剥がれた、棟内部まで損傷したといった被害が発生することがあります。軽微な漆喰の劣化であれば漆喰補修で対応できる場合もあります。一方、地震によって棟そのものが崩れている場合は、単純に漆喰を塗り直すだけでは十分ではありません。その場合に検討されるのが「棟の取り直し」です。既存の棟を一度解体し、必要な部分を確認・補修したうえで、棟を改めて施工します。今回の地震で棟に大きな被害を受けた場合は、「瓦を元に戻す」だけではなく、「棟そのものをどう直すのか」まで確認することが大切です。
3葺き直し
既存の瓦を再利用しながら、瓦の下にある防水シートなどを新しくする方法です。つまり、「瓦そのものはまだ使える。でも防水や下地は見直したい」という場合の選択肢です。瓦は耐久性が高いため、状態によっては既存の瓦を活かすことができます。一方、築年数が経過している住宅では、瓦を一度外した際に、ルーフィング、野地板、桟木、その他の屋根下地などの状態も確認しておきたいところです。
4葺き替え
既存の瓦を撤去し、屋根の下地や防水シートを確認・更新したうえで、新しい屋根材に替える方法です。今回のように地震による瓦の被害が大きい場合には、「また瓦を載せるのか」だけではなく、「別の屋根材に変更するのか」まで検討できるタイミングになります。
3.地震後だからこそ考えたい「屋根の軽量化」
ここからが、今回特に知っていただきたいポイントです。それが、「屋根を軽くする」という考え方です。
一般的な瓦屋根は、金属屋根などと比較すると重量があります。住宅の耐震性を考える際には、屋根の重量も一つの要素になります。国土交通省も、耐震改修の方法の一つとして「屋根材を軽くする」ことを挙げています。もっとも、耐震性は屋根だけで決まるものではなく、壁・柱・基礎など建物全体を確認して判断する必要があります。
だからこそ、地震で屋根を大きく直すことになった場合には、「今までと同じ屋根に戻す」という選択だけでなく、「屋根材を軽量化することにどんな意味があるのか」を一度考えてみてもよいでしょう。
💡 補足:「瓦が重い=危険」という単純な話ではありません
ここは誤解してほしくないところです。住宅の耐震性は、建物の構造、壁量、柱や梁、接合部、基礎、地盤、建築年代、屋根重量、建物全体のバランスなど、さまざまな要素によって決まります。
そのため、「瓦を金属屋根に替えれば、それだけで耐震住宅になる」ということではありません。屋根を軽くすることは、あくまで住宅の耐震性を考えるうえで検討できる一つの方法です。特に古い住宅の場合は、屋根材の変更だけで結論を出すのではなく、必要に応じて建物全体の耐震性についても専門家に確認することをおすすめします。
4.瓦から別の屋根材へ変更するという選択
瓦屋根の被害が大きく、葺き替えを検討する場合には、今までと同じ瓦に戻すだけでなく、別の屋根材へ変更するという選択肢もあります。代表的なのが金属屋根です。
ただし、金属屋根にもさまざまな種類があり、軽さだけでなく、断熱性・遮熱性・耐久性・メンテナンス方法・施工方法などに違いがあります。
ここでは、軽量屋根の例として、弊社でも取り扱っている2つをご紹介します。
軽量屋根の一例①「スーパーガルテクト」
ガルバリウム系の鋼板に断熱材を一体化した金属屋根材です。軽量であることに加え、断熱・遮熱性能も考えられており、屋根の軽量化を検討する場合の選択肢の一つになります。
軽量屋根の一例②「セネター」
鋼板を基材として表面に天然石粒を施した屋根材で、軽量でありながら一般的な金属屋根とは異なる質感を持っています。「軽い屋根=ガルバリウム鋼板だけ」ではない選択肢として注目されています。
地震後の屋根では、瓦の一部だけが壊れていても、瓦の種類や施工状況、棟や下地の状態などによって、部分補修だけでは済まない場合があります。そのため、
- 「今の瓦を修理するのか」
- 「この機会に屋根材そのものを変えるのか」
という選択肢を比較することがあります。セネターのように、製品や施工条件によっては破損した部分の交換・補修を検討できる屋根材もあります(※実際の対応は破損状況等を確認して判断します)。
軽量屋根にも、それぞれ特徴があります
「瓦から軽い屋根へ」と考えた場合でも、選択肢は一つではありません。
断熱材一体型の金属屋根や天然石粒仕上げの屋根など、それぞれに特徴があります。また、現在の屋根材によって選べる工法(カバー工法・葺き替え)も変わります。
だからこそ、「瓦か金属か」という二択ではなく、現在の屋根の状態や今後の暮らし方に合わせて、どの屋根材・工法が適しているのかを比較することが大切です。
5.「今いくらか」だけではなく「10年後・20年後」も考える
今回の地震で被害を受けた方にとって、屋根工事は決して小さな出費ではありません。だからこそ、「できるだけ安く元に戻したい」と考えるのは当然です。一方で、屋根は一度工事したら終わりではありません。10年後、20年後にもメンテナンスが必要になる可能性があります。そこで考えてほしいのが、「ライフサイクルで屋根を見る」という考え方です。
今の屋根を部分的に修理する
初期費用を抑えやすい一方、周辺部分にも劣化が進んでいる場合は、今後別の場所で修理が必要になる可能性があります。
瓦を再利用して葺き直す
瓦を活かしながら、防水や下地を更新できます。「今ある瓦をできるだけ活かしたい」という方には、有力な選択肢です。
別の軽量屋根材へ葺き替える
初期費用は大きくなる場合がありますが、屋根の軽量化、今後のメンテナンス方法、屋根材の耐久性、部分補修のしやすさなどまで含めて、今後の維持管理を見直すことができます。
重要なのは、「どれが一番安いか」だけでなく、「この家にあと何年住むのか」まで含めて考えることです。
6.地震後の屋根、どう選べばいい?
迷ったときは、まず現在の状態を整理してみましょう。
| 現在の状況 | 検討できる選択肢 |
|---|---|
| 被害が一部だけで、屋根全体の状態も良好 | 部分補修 |
| 棟が地震で崩れた・大きくズレた | 棟の取り直し |
| 瓦はまだ使えそうだが、防水や下地を見直したい | 葺き直し |
| 瓦の被害が大きく、屋根全体を見直したい | 葺き替え |
| 屋根を軽くすることも検討したい | 軽量な屋根材への変更を検討 |
ただし、これはあくまで判断の入口です。実際には、屋根材の状態だけでなく、下地・防水・建物全体の状態を確認してから判断する必要があります。
7.「壊れたから元に戻す」だけではなく、これからの家を考える
今回の地震で瓦が大きく壊れた場合、「また瓦に戻す」という選択肢ももちろんあります。瓦は耐久性の高い屋根材ですし、既存の瓦を活かせる住宅もあります。
一方で、今後何年住むのか、今後の地震に備えたいのか、屋根を軽くしたいのか、将来のメンテナンスをどうしたいのか、現在の下地や防水はどうなっているのか、今回の工事にどこまで費用をかけられるのかによって、選択肢は変わります。
だからこそ、「瓦を直すか、金属屋根にするか」という二択で考える必要はありません。部分補修、棟の取り直し、葺き直し、葺き替え。その中で、さらに葺き替える場合には、さまざまな屋根材があります。
大切なのは、「壊れた屋根を元に戻す」だけではなく、「この家をこれからどう維持していきたいのか」から逆算して考えること。だと私は考えています。
8.まとめ|地震で瓦が壊れた今だからこそ、屋根を見直す
今回の地震で瓦屋根に被害を受けた方にとって、屋根工事は決して小さな決断ではありません。選択肢は一つではありません。「部分補修」「棟の取り直し」「葺き直し」「葺き替え」、ポイントとして「軽量な屋根材への変更」。それぞれにメリット・デメリットがあります。
地震後の屋根・住宅のことでお困りの方へ
「どこに相談したらいいのか分からない」「修理と葺き替えのどちらがいいのか迷っている」という方も、まずはご相談ください。
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