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【現場で聞いてみた】職人編 第6回 当たり前を、当たり前に。

当たり前を、
当たり前に。

前回の最後、事務スタッフからは「菩薩みたいな人(笑)」、営業スタッフからは「意外と不満も言うんですね(笑)」という、ちょっと正反対(?)なお話を聞きました。 実際に川上さんに聞いてみると、「人なので不満はあります(笑)。でも現場には持ち込まないようにしています。」という、とても率直な答えが返ってきました。 そんな川上さんに共通していたのは、これまでのインタビューでも何度も出てきた、「特別なことではなく、当たり前のことをきちんとやる」という考え方です。 下地処理も、施工写真も、お客様との向き合い方も、その根っこにはどんな想いがあるのでしょうか。 シリーズ最後となる今回は、川上さんが職人として一番大切にしていることについて、お話を伺いました。

💬 インタビュー

実際の対話をそのまま掲載しています。

山口山口

そういえば事務の方に、 「川上さんって菩薩みたいな人ですよ(笑)」 って言われてました(笑)

川上さん川上さん

何ですかそれ(笑)

山口山口

でも営業さんは、 「思ったより不満も言うんだなって思いました(笑)」 とも言われてました(笑)

川上さん川上さん

それは言いますよ(笑) 僕も人間なんで(笑)

山口山口

じゃあ、怒ったりイライラしたりすることもあるんですか?

川上さん川上さん

全然ありますよ(笑) ただお客様のお気持ちは近くで感じるし、営業さんの意図や会社の方針もわかる、現場の職人の気持ちもわかるので、それをただ現場には持ち込まないだけです。

山口山口

う…耳が痛い…仕事する上で見習いたいです。なんか良い人すぎるので、隙をみつけたくなります…(笑)でもそういう大事にされてる考え方気になります!

川上さん川上さん

こちらの事情はお客様には関係ないけんですね。 怒ったところで施工が良くなるわけじゃないですし。

山口山口

確かに。それも川上さんにとっては、 当たり前のことなんですか?

川上さん川上さん

そうですね。 仕事なので。 現場ではちゃんと仕事をする。 そこは分けて考えてます。

山口山口

今回お話を聞いてきて思ったんですけど、 川上さんって、腕自慢とか派手なことは一回も言わなかったですよね(笑)

川上さん川上さん

そうですか?聞かれたらこたえれるんですけどね(笑)

山口山口

下地処理も、 施工写真も、 お客様とのやり取りも。 全部、 「当たり前にやってます。」 っていう話ばかりだった気がします。

川上さん川上さん

そうですね(笑) そもそも特別なことをしてるつもりじゃないです。

山口山口

昔からそういう考え方だったんですか?

川上さん川上さん

いや。昔は違いました。 下請けで仕事をしてた頃は、正直、塗ることだけが仕事だと思ってました。 でも今は、ある程度何でもやるようになったこともあって、塗る前も、塗った後も、全部含めて仕事だなと思うようになりました。

山口山口

じゃあ今の川上さんにとって、お仕事する上で一番大切なことって何なんですか?

川上さん川上さん

当たり前のことを、当たり前にやることです。 見えなくなるところも、 誰も気付かないところも、 ちゃんとやる。 それの積み重ねかなと思います。 でも、その当たり前が一番難しいと思ってます。

山口山口

当たり前をきちんと継続って、日常生活でもむずかしいですもんね。

川上さん川上さん

その上で、プラスアルファで何かを提供できたらいいですよね。

山口山口

その"プラスアルファ"って例えばどんなことですか?

川上さん川上さん

難しいですね(笑)工事って、塗って終わりじゃないと思うんですよ。 安心だったり、頼んで良かっただったり、そういう風に思っ頂けたるようにできたらいいですよね。

山口山口

それで写真を送ったり、説明したり、「気になることは遠慮なく言ってください。」って何度もおっしゃってたんですね。

川上さん川上さん

それも含めてですね。全部つながってると思います。

山口山口

最後に一つだけ聞かせてください。 川上さんが、「この仕事をやっていて良かったな。」って一番思うのは、どんな時ですか?

川上さん川上さん

え~どうすかね。工事が終わって仕上がりを見て喜んでもらえてるときはもちろん嬉しいです。 でも何年か経って、塗料がちゃんと長持ちしていて、 お客様がふと、 「あの時、見えないところまでちゃんとやってくれてたんだな。」 って思って頂けたら嬉しいかもですね(笑) まぁ気づいてもらえることでもないんですけどね(笑)

山口山口

施工がよくてできてトラブルが起きなかったら、その施工が良いものだったって気づけなそうですもんね(笑)

川上さん川上さん

そうですね(笑)だから自分がやった下地補修から塗装まで、"もう見えなくなってしまったけど、きちんと効果をはっきしてくれる部分"が、結果的に気づかれない時が一番いい仕事をした時だったりするんですよね(笑)

山口山口

それはちょっともどかしいような気もしますね(笑)

川上さん川上さん

そうかもしれないです(笑)

山口山口

今回色々とお話を聞いてきましたけど、最初は「塗装の話」を聞いているつもりが、 気付いたら塗装じゃなくて、このお仕事の見えない部分のお話みたいになっちゃいました(笑) ただお話をきいて改めて、下地処理も、施工写真も、価格のお話も、工事中の向き合い方も全部、「お客様に安心してもらいたい。」というところに繋がってる気がしました。

川上さん川上さん

そうですね。 特別なことをやってるつもりもなくて、その上で安心してもらいやすい工夫は意識してます。 当たり前のことを当たり前にやった上で、プラスアルファで何かを提供できたらと思っています。

📖 まとめ・ポイント

インタビューを通して印象に残ったポイント。

📝 山口の取材メモ

今回の取材で6回にわたって川上さんへお話を伺ってきました。最初は「職人さんの技術」について知りたくて始まったインタビューでした。 でも最後に一番印象に残ったのは、技術以上に、仕事への向き合い方でした。川上さんは何度も、「当たり前だからです。」と話していました。 下地処理を丁寧に行うこと。見えなくなる工事を、施工写真で伝えること。価格だけで判断してほしくないと伝えること。工事中も遠慮なく相談してもらうこと。 そのどれもが特別なサービスではなく、職人として"当たり前"だと考えていることでした。そして、その当たり前を積み重ねた先で、お客様へ安心や信頼という"プラスアルファ"を届けたい。 今回の取材を通して感じたのは、技術があることは大前提として、その先にある「安心」まで届けようとしている職人さんなのだということです。 工事がきちんと行われたからこそ、気付かれない仕事があります。 下地処理もそうです。毎日の施工写真もそうです。お客様への声掛けや、現場での気配りもそうです。 "当たり前"は、目立たない。 でも、その積み重ねがあるからこそ、何年先も安心して暮らせる住まいにつながっていくのだと思います。 川上さんのお話を聞いているうちに、私もふと、こんなことを思うようになりました。
「いつか、この見えない仕事に気付いてもらえたらいいな。」
工事が終わったその日ではなくてもいい。 施工から何年後、何十年後かに、ご自宅を見上げたお客様が、
「あの時、見えないところまでちゃんとやってくれていたんだな。」
そんなふうに思い出してくださる日が来たら川上さんが話していた"プラスアルファ"が、お客様に届いた瞬間なのだと思います。

塗装職人 川上

今回のゲスト

塗装職人 川上

塗装職人|現場歴 16年


外壁塗装・屋根塗装を中心に、下地補修や雨漏りのご相談まで幅広く担当。 完成したあとには見えなくなる部分こそ丁寧に施工することを大切にし、 一軒一軒の建物に合わせた施工を心掛けています。

川上からお客様へ

当たり前のことを、当たり前にやる。その上で、プラスアルファで何かを提供できればと思っています。

🗺️ 現場で聞いてみた!連載ロードマップ(全6回)

このインタビューは、建築知識ゼロの新人担当が「施工現場のリアル」に迫る全6回の連載ストーリーです。記事を通して職人のこだわりや現場の工夫をご紹介していきます。ぜひ順番にお楽しみください!