メンテナンスを最小限におさえられる屋根ってある?
メンテナンスがまったく要らない屋根はありません。ただ、屋根材の選び方と、見えない部分のそろえ方によって、手入れの「回数」と「規模」は小さくできます。塗り替えの要らない屋根材、防水シートと棟の下地のそろえ方、それでも残る点検の中身を、「もう何度も工事したくない」という方からよくいただく相談をもとにまとめました。
- 😔「もう屋根のことで何度も悩みたくないんです」
- 🏠「あと何回も工事をお願いするのは、体力的にも気持ち的にも大変で」
こうしたお声を、特に年配のお客様から多くいただきます。足場を組むたびに家のまわりが囲まれ、職人が出入りし、色や工事内容を決めなければならない。工事は、住んでいる方にとっても負担のかかるものです。
メンテナンスがまったく要らない屋根はありません。ただ、回数と規模は小さくできます
手入れの回数は、屋根材・防水シート・棟の3つのうち、一番先に寿命がくる部分で決まります。屋根材だけ長持ちするものを選んでも、防水シートや棟が先に傷めば、そこで工事になります。回数を減らす近道は、3つの寿命をそろえることです。
手入れの回数は、3つの部分の「一番短い寿命」で決まる
屋根の手入れの回数は、主に次の3つで決まります。
🏠 屋根材
塗り替えが必要かどうか、それ自体が何年もつか。
💧 防水シート(ルーフィング)
屋根材の下で、雨を最後に止めている部分です。
🔝 棟(屋根のてっぺん)
金属の板(棟板金)と、その下の下地です。
この3つのうち、一番先に寿命がくる部分で手入れが必要になります。たとえば、30年の保証がある屋根材を選んでも、下の防水シートが10数年でだめになれば、そこで屋根を開ける工事になります。「回数を減らす」には、3つの寿命をそろえることが、一番の近道です。
塗り替えの要らない屋根材
「何度も工事している」と感じる一番の原因は、屋根材の定期的な塗り替えです。スレート屋根や、塗装が必要なタイプの金属屋根は、屋根材の寿命とは別に、色あせや防水性の維持のために、塗り替えが必要になります。
| 屋根材 | 塗り替えの目安 | 30年間の回数 |
|---|---|---|
| スレート | 約10年ごと | 2〜3回 |
| 金属屋根(塗装が必要なタイプ) | 約15〜20年ごと | 1〜2回 |
| セネター(天然石粒仕上げ) | 基本的に不要 | 0回 |
※一般的な目安です。製品や屋根の状態によって変わります。1回あたりの費用の目安は、セネター屋根カバー工法後のメンテナンス費用の記事にまとめています。
🏠 弊社が標準にしているセネターの特徴
弊社がカバー工法や葺き替えで標準にしているセネターは、ガルバリウム鋼板に、天然石の粒を焼き付けた屋根材です。
- 表面が塗料の膜ではなく天然石の粒なので、色あせを理由にした塗り替えは、基本的に必要ありません
- メーカー公表で、材料品質保証30年・美観保証10年
- 1平方メートルあたり約7kgと軽く、建物への負担が小さい
- 1枚ずつ固定されているので、傷んだ部分だけ1枚単位で補修できる
実際に、飛来物が当たって屋根材が1枚だけへこんだお宅では、その1枚の交換だけで補修が済みました。
屋根全体を塗り替える工事がなくなることが、手入れの負担を減らす一番大きなポイントです。
弊社は塗装会社です。それでも、屋根の状態や、これから住む年数によっては、塗装ではなくカバー工法をおすすめします。塗装を重ねるより、建物にとってその方が良いと判断したときです。
「屋根は塗装を考えていましたが提案を受けカバー工法にしました。塗装屋さんなので塗装を薦めた方がいずれ又、塗装の仕事があるのに?と思いますが、施主ファーストで考える加藤さんの人柄なのでしょう。」
それでも残る手入れ
塗り替えの要らない屋根にしても、次のような手入れは残ります。
- 数年から10年ほどの間隔での点検(棟板金のビスの緩みや浮き、屋根材のずれや変形、屋根材どうしの隙間の確認)
- 台風などで物が飛んできて、屋根材がへこんだり、割れたりしたときの部分補修
- 雨樋や、壁との取り合いの点検
ただ、これらは、屋根全体に足場を組んで塗り替えるような大きな工事ではなく、点検と、傷んだ部分の補修が中心です。
🔎 現場で見てきた例
「カバー工法をしたから、もう何もしなくていいと思っていた」というお宅で、数年ぶりに点検すると、棟板金のビスが数本緩んでいたことがありました。早めに気づけたため、簡単な増し締めで済みました。屋根材本体が傷んでいなくても、棟板金のような付帯部分は、先に動きが出やすい場所です。
汚れが気になるときも、高圧洗浄はおすすめしていません。屋根材の表面や、まわりの部材を傷める可能性があるためです。洗うなら、専用洗剤を使った低圧の洗浄にしてください。
また、ルーフィング(防水シート)を含めた本格的なメンテナンスは、20〜30年ほど先が目安です。だからこそ、その時期に屋根材より先に防水シートが傷んでしまわないよう、最初に耐久性をそろえておくことが大切です。
「今後も気になった点(メンテナンスも含め)がありましたら連絡したいと思います。」
手入れの回数を減らしたあとに大切なのは、何かあったときに、気軽に相談できる相手がいることだと思っています。ご連絡をいただければ、施工保証期間内は当社が点検に伺います。点検の結果、当社の施工に問題があった場合は無償で対応します。経年劣化や飛来物など外的な要因による損傷は、実費でのご負担をお願いしています。
「あと何年住むか」で、選び方は変わる
🏡 これから20年、30年住む/子どもに引き継ぐ
塗り替えの要らない屋根にしておく意味が大きくなります。
⏳ あと10年ほど住めればいい
今の屋根の状態が良ければ、塗装や部分補修でつなぐほうが、合理的なこともあります。
「もう工事したくない」というお気持ちと、屋根の状態、住む年数の3つを合わせて考えることが大切です。
⚠️ 気をつけたい点
- カバー工法は、屋根の状態によってはできません。表面が粉状に崩れている、層状の剥がれやひび割れが広範囲に進んでいるといった場合は、葺き替えが必要になります。瓦屋根も、対象外になることがあります
- 一般的に、塗装より工事費用は高くなります。長く住むかどうかと合わせて考えてください
- セネターの色は、黒・濃茶・グレー系が中心で、選べる色数は多くありません
📘 屋根の工事を比べるときに
よくある質問
メンテナンスがまったく要らない屋根はありますか?
ありません。どんな屋根にも、年数による変化はあります。ただ、塗り替えの要らない屋根材を選び、防水シートや棟の下地など見えない部分まで状態を確かめて整えることで、手入れの回数と規模を小さくすることはできます。
セネターなら、塗装は一度もいらないのですか?
セネターは表面が塗料の膜ではなく天然石の粒で仕上げられているため、色あせを理由にした塗り替えは基本的に必要ありません。メーカーは、材料品質保証30年・美観保証10年を公表しています。ただし、棟板金のビスの緩みやシーリングの劣化、飛来物による破損の点検と補修は残ります。
防水シート(ルーフィング)は、何年くらいもちますか?
種類によって違います。昔から使われているアスファルトルーフィングは約10〜15年、現在の主流の改質アスファルトルーフィングは約20〜25年、粘着層付きは約20〜30年、高分子系は約30年以上が目安です。屋根材の寿命に見合ったものを選ぶことが大切です。
屋根は、塗装とカバー工法のどちらがいいですか?
屋根の状態で決まります。塗膜が機能していて、傷みが浅ければ、塗装で対応できる場合があります。広範囲のひび割れ、多数の欠け、屋根材の反り、築20年以上といった状態では、塗装では対応しきれず、カバー工法など塗装以外の方法を検討する時期にあることが多いです。まずは現地で屋根の状態を確かめます。
カバー工法のあとは、何も連絡しなくていいですか?
数年から10年ほどの間隔で、点検をおすすめしています。棟板金のビスの緩みや浮き、屋根材のずれや変形などを確かめます。ご連絡をいただければ、施工保証期間内は当社が点検に伺います。点検の結果、当社の施工に問題があった場合は無償で対応しますが、経年劣化や飛来物など外的な要因による損傷は、実費でのご負担をお願いしています。
まとめ|「メンテナンスフリー」ではなく「手入れを小さくする」
「メンテナンスフリー」という言葉を目にすることもありますが、どんな屋根にも、年数による変化はあります。
- ① 塗り替えの要らない屋根材を選び、屋根全体の塗り替えをなくす
- ② 防水シートは耐久性をそろえ、棟の下地は傷みを確かめて補修する
- ③ 数年から10年ほどの点検で、小さな不具合を早めに直す
今の屋根の状態と、これからの暮らし方を伺ったうえで、必要な工事とそうでない工事をご提案しています。
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